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段階② 使い分ける / 3分で読めます

「必ず」と書いても守られない。繰り返しはプログラムに任せる

指示に「必ず」「絶対に」を足して、太字にした。それでも抜ける。叱る時間を、工程を変える時間に回しませんか。

つまずき:足すほど、薄まる

3件落とされたあと、指示を直した。「必ず全件を確認すること。絶対に1件も漏らさないこと。出す前にもう一度見直すこと」。少しましになったかもしれませんが、ゼロにはならず、翌週また落ちる。

人の部下なら、これで直ります。AIでは直りません。「必ず」と書いても1件あたりの正確さがわずかに上がるだけで、件数の掛け算は消えないからです。しかも「必ず」「絶対に」「あってはならない」と重ねるほど、本当に大事なことがどれなのか、文の中で見分けがつかなくなります。人の部下には指導でも、AIには祈りです。

考え方:作業を頼まず、道具を頼む

AIが不得意な「同じことを100回、同じにやる」仕事は、AIにやらせずに、プログラム(手順を書き出して、書いたとおりに動く仕組み)にやらせます。プログラムはあなたが書く必要はありません。AIに書かせます。

「この100件を転記して」と頼めば、AIは100回サイコロを振ります。「転記するプログラムを書いて」と頼めば、振るのは書く1回だけ。そして書けたプログラムは、1件目も100件目も同じ動きをします。プログラムを書くこと自体は、書き方が何通りもあって、良いものが1つできればいい仕事。つまりAIが得意な側です。不得意なことを、得意な形で補っています。

頼むときは「まず3件だけ処理して、結果を見せて」を添えます。3件なら目で確かめられます。前の話の「5件で試して500件で事故」と似ていますが、意味が逆です。あのとき試していたのはAI本人で、いま試しているのは道具。道具は3件目と500件目で動きが変わらないので、少なく試してよいのです。

今日からできること

「気をつけて」と言いたくなった瞬間に、言い換えます。「このミスが再発しない方法を考えて、実行して。理由も教えて」。返事が「次は注意します」なら方法ではなく、「変換をプログラムにしました」なら来月も効きます。

合否は、作業の前に数字で決めます。「漏れがないか確認して」ではなく「元の行数と出力の行数が一致すること」。数えるのもAIではなく、作った道具にやらせます。出来上がりを見てから基準を作ると、出来たものが基準になってしまうので、見る前に決めます。

AIを賢くしようとしないでください。工程を賢くしてください。

「「必ず」と書いても守られない。繰り返しはプログラムに任せる」を表したイラスト

続きは、本2『AIが部下になったら読む本』の1章 1-5、4章 4-4〜4-6、6章 6-4・6-5で。

本2『AIが部下になったら読む本』の表紙

本2『AIが部下になったら読む本』

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